FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

その四

イグドラシルの果実

1章~日常~

ーーーーー3話ーーーーー

その後は教室で授業を受けていた珠真、昼休みに爆睡してしまい眠れずにしょうがなく授業を受けているのだが終始ボーッとしているだけであった。

ノートをとるでもなく、教師の話を聞くでもなくただボーッと何か思案していると見せかけてボーッとしていた。

そして授業も終わり、帰る準備をしているとある人物が珠真の机の前に立ち塞がる。

「北桜、今日は水曜日だね。」

と謎の質問をしてくる女子生徒
『欅尾好未』(やきお このみ)
珠真のクラスメイトである。

「そーですね。」

簡潔に解答し椅子から立ち上がるが、好未に腕を掴まれる。

「毎週水曜日は校内清掃でしたよね?」

「そーですね。」

「貴方帰るつもり?」

「そーですね。」

ここでしばしの沈黙、流石にマズイと思い珠真は何か言い訳を探すが時既に遅しだった。

「分かりました…後で担任に報告しておきます。」

その言葉に何かしらのスイッチが切り替わったのだろう、珠真は好未を引っ張り職員室内へと向かった。

「最初からやれよ。」と好未が心の中で呟いたのでそれが珠真に聞こえることはなかったのだが、同時に一度ビシッと言ってやろうと好未はこころに誓う。

それからは率先して大人しく取り組み、清掃をすぐに終わらせることができた。

やればできる子だと自分で思っている珠真は満足げである、一方好未はというと珠真の働きぶりにビシッと言うタイミングをなくしてしまい複雑な心境である。

そんなことなど知らない珠真はそそくさと歩き去って行くが、一度止まって好未の方を向く。

「この時期明るいけど送ってこーか?」

「えっ?」

ニコニコ笑顔でそんなセリフをサラッと言える珠真、彼はバカはバカでも天然のバカなのだ。

つまり自分ではそんな言葉は当たり前というか、頭にあることを声に出しただけなのだ。

ルックスは申し分無いためにそんなことを言われた女子は皆赤面ものだろう、好未も例に洩れず自分でも顔が真っ赤になって行くのがわかった。

「ん、どした気分わりーの?大丈夫か。」

と言いながら好未に近づく珠真、この先の展開が想像できてしまった好未は俯き自分を落ち着ける。

「だ、だいじょぶです。一人で帰れます。」

それを言うや否や珠真の横を過ぎて足速に去って行く好未、その様子に珠真は首を傾げていた。

「へんなのー。」

そう漏らすと珠真も帰宅すべく学校を後にした。

珠真等の住む街は田舎か都会かというと田舎のほうであるため、古い木造の建物が多く、たまに見かける小綺麗な西洋風の建物はよく目立つ。

珠真の家は学校から徒歩30分となかなか遠い位置なのだが、毎日歩いて登下校している。

それは珠真が自転車に乗れないからと言う理由でもなければバカだからというわけでもない。

単純に金が無いからである。

珠真は幼い頃に両親を亡くし祖父母に引き取られたのだが、高校に上がった時にこれ以上迷惑かけれないと祖父母と別に暮らしを始めたのだ。

祖父母に一切頼らず、バイトをして生活費を稼ぎ自分の身の回りのことはすべて自分でやっているのだ。

クラスメイトは皆そのことを知っているために珠真を金を使う遊びには誘わず、誘う時は奢るという気の使いようである。

珠真も最初の頃はその気遣いを無駄にしたくなかったために誘われたときは行っていたのだが、今ではあまり友達と遊ぶということもなくなった…。

ひと気の無い道を歩く珠真、辺りは田んぼだらけで疎らに家が建っている程度の寂しい道。

高校入学より毎日歩いてきた道、見慣れたその道を抜けるとまたポツポツと家が増えていき人も多くなってくる。

活気あふれる呼び込みの声、人で賑わう商店街。

そこも見慣れた景色、珠真の日常の一部だ。

「おいミナマー何か買ってけ安くしとくぞ。」

「ミナマおかえりー、学校帰りは買い物だろ?」

「珠真くん寄ってきな!」

これも珠真にとって当たり前、もうこの商店街のすべての店の人と顔見知りなのが珠真の自慢である。

しかし今日は軽く返事をしまっすぐに家へと向かった。

なぜなら…。

「ただいまー。」

そう言って玄関のドアを開けて家にはいる。

珠真の住まいは1dkの木造平屋、祖父母が用意してくれた文句の無い充分すぎる住居だった。

古い建物なのだがなかなか綺麗にされていたので、祖父母には感謝してもしきれない珠真であった。

「あれ、ただいまー!」

「おかえりー!」

突然現れた小さな女の子、玄関に突っ立っていた珠真にタックルの如く飛びかかり抱きつく。

「はなれろー兄ちゃん疲れてるー。」

かなりハイテンションな女の子、珠真の妹
『北桜心和』(きたお ここな)
小学一年生の活発少女である。

「にーちゃんつかれてるの?もう寝る?」

少し悲しげな瞳で言われたものだから堪ったものではない、すぐに珠真は妹をなだめにかかる。

「寝ないよ、今日はココナの誕生日だろ?」

そういいながら妹の頭を撫でる珠真、心和は嬉しそうに満面の笑みでウン!と頷いた。





ーーーーー続くーーーーー





ハッピーニューイヤーーーー
(^O^)

以上。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カウンター
プロフィール

スノードロップ

Author:スノードロップ
年齢:16歳

高校生です。
プロフ画像は星子さん作です^^

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カレンダー
07 | 2018/08 | 09
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
FC2チャット
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。